2008.01.11

029:幕張 東京モーターショー上空30m

20080111_morita The World Wide PanoramaThe Best of 2007への出展作品。

Thirty meters over Tokyo Moter Show.

 ポールもカイトも持ってないけど、高所パノラマに挑戦してみた。東京モーターショーのプレスデイ、屋外展示のモリタブースではしご車の体験搭乗が行われており、上空30mからの眺めを撮影することができた。ショーの模様は「鉄道とパノラマの旅」を主宰する酒井創介氏(鉄道だけでなくクルマ方面にもヒジョーに明るい)と共同で撮影していたわけだけど、はしご車パノラマは無理を言ってボクの担当にさせてもらった(すまぬ...)。

 従来のはしご車の3倍速いスピードで上空30mまで約20秒で到達。最新の制震機能を装備しているため、風が強い日でもゴンドラは安定しているそうだが、素人にとってはあくまで比較の問題かも。つまりそれなりには揺れるわけで、特に高所恐怖症という自覚はなかったけど、上空で360°分の撮影をする間、ゴンドラの枠を掴む手がジットリ汗をかいていた。
 通常は三脚を移動して床部分を撮影するわけだけど、実はその最後のカットを撮影することができなかった。ゴンドラ内部が狭いとか、上空で万が一カメラや部品を落下させた場合に地上で順番待ちをしているヒトが危険とか、後付の理由はたくさんあるけれど、ホントのところはスッカリ忘れてた、というか、撮影後半は“高さ”の実感がジワジワ沸いてきて、結構舞い上がってしまっていた模様。水平方向撮ってる時はまだヨカッタけど、上下方向を撮影しようと雲台のアームを操作する際に、何度か真下をのぞき込んだのがいけなかったようだ....。首にかけたコンパクト・デジカメでも何枚かスナップを撮影したハズだが、気がついたらレリーズボタンじゃなくて電源ボタンを何度か押していたことも。結局記憶の半分しかスナップは撮れていなかった。ヤレヤレ....。

 搭乗したのはたぶんこの「水路付はしご車

 体験試乗の様子が動画で公開されています。
 → gizmodo

 東京モーターショーの模様はgooの公式サイトにて会場の模様をパノラマムービーとオブジェクトムービーで速報。その中から8点ほどのパノラマムービーをフルスクリーン化し、RESPONSEのサイトにて公開中。マイバッハやボルボトラックの渾身の室内パノラマを始め、パノラマならではの眺めを楽しめる。


20080111_moai 併せて1997年に開催された世界初のパノラマイベントの10周年を記念したWrinkle in Timeにも出展。

An Incombenient Truth?

 こちらはオリジナルイベント同様、同じ時間に全世界でパノラマを撮影しようという趣旨だったので、ホントは時計入りで札幌らしい風景をとも思ったものの、急な出張の準備やら何やらで、自宅から近い真駒内霊園で撮影。
 割とお気軽な題材だったので、10年も開催されて欲しいこのイベントの時にも”乗り続けているゾ”との決意を込めて愛車2CVから撮影することにした。キャンバストップを開け、偽モアイ像の前で撮影する姿はかなり怪しかったかも。

 せめてタイトルくらいはヒネリたいと思い、この10年で何が一番変わったかを考えてみた。真っ先に思い浮かんだのは、頻発する異常気象。そういえば2007年は映画「不都合な真実(原題:An Incombenient Truth)」で地球温暖化がクローズアップされたこともあり、イースター島のモアイ像に雪が降るような異常気象か?とボケをかましてみた次第....。わっかりにくいなー、もー(笑)。




Technorati Tags:
, ,


2007.07.06

028:岩手 遠野上郷地区 獅子踊り

  The World Wide Panorama (WWP)2007年の夏の部に出展した作品です。

 → http://geoimages.berkeley.edu/worldwidepanorama/wwp607/html/YoshitoTakagi.html

20070704_shishiodori 種類:CubicVR 1点 撮影:2007年6月17日
 撮影機材:Canon EOS 5D, SIGMA 15mm 1:2.8 EXDG FISHEYE
 録音機材:KORG MR-1000, RODE NT-4

[テーマ]
 今回のお題は"Community"。地域社会を象徴するもの=お祭りというわけで、出張先で出会った神社の例大祭の模様を録音&撮影。まだ全部の作品にきちんと目を通していないし季節的なタイミングもあることなので明言はできないけど、日本以外からのエントリーでいわゆる“お祭り”を扱ったものが見あたらず、こうした考え方は日本人独特のものなのだろうかと思ってしまう。ま、地域性が出たほうが面白いから良いンだけど....。

[撮影]
 初めて目にする獅子踊りということで、どんな段取りで進行するのかをその都度地元の方々に確認しながら会場内をウロウロ。御神木のカツラの木があまりにも見事だったので、まずは様子を探ろうとこの木の下に三脚を据えることにした。

 そして踊りが始まった。奉納するとは聞いていたものの、まさか目の前で舞が披露されることになるとは思わなかった。喩えるならばアリーナ席最前列、いやステージの上で鑑賞させてもらったような得した気分。しかし撮影的には日陰と日向の光量に差がありすぎだし、録音的には太鼓がマイクに近すぎだしと、様子見のハズがいきなり難題に直面することになった。
  ※そんなわけで分解能の低いPCのスピーカーで聞くと笛やかけ声が太鼓の音に負けてしまうので、音はぜひともヘッドホンでどーぞ。

 それにしてもこのポジション、拝殿から踊りを撮影していたカメラマンの方々には少々顰蹙モノだったかも...。当日は3団体が踊りを奉納するとのことだったので、1団体分だけ御神木の下で撮影し他の2団体が踊る際には邪魔にならない場所に移動した。

[オーサリング]
 今回ほどWWPのファイルサイズ制限を恨めしく思ったことはなかった。と言うのも、1年でもっとも木々の緑にパワーがみなぎるこの季節、わしわし茂った葉の重なり具合や色の濃淡など 現場のシズル感あふれる緑を表現するのに推奨2MB以内(3MBまでOK)という縛りはツラかった。  ちなみにスティッチした画像をそのままCubic VR化したものはJPEG 50%で11.3MBに。出展したムービーは“決められた制限内でどこまでできるか試した結果”の2.6MBだったわけだけど、見比べてしまうとご神木を見上げた時の葉の立体感や苔むした沢の湿気たっぷりな感じ、そして踊り手の動きや袴の縞模様 等々さまざまなニュアンスがスポイルされてしまっている。もったいないのでオリジナル・クオリティのムービーへのリンクを掲載。

「獅子踊り」オリジナルムービー(11.3MB)を見る
  ※QuickTime Playerが起動します。
  ※Northern Lightsのロゴをクリックするとウインドウを閉じます。
  ※データ量が大きいため、マシン環境によっては表示に時間がかかる場合があります。

[余談]
 遠野地区には現在14の獅子踊り保存会が存在し、各会は基本的にひとつの集落を単位として構成されているという。幼稚園児から60過ぎの方までが笛・太鼓・踊りの役を担い、集落ごとに代々伝わる様式を守っている姿には感動を覚える。

 今回は日出神社の例大祭ということで地元細越地区の保存会を中心に、板沢地区と佐比内地区の計3団体が参加(獅子踊りに関して。他に太鼓やさんさ踊りの保存会も参加)。撮影したのは細越獅子踊保存会の奉納シーンだ。
 聞けば小学校には獅子踊りを教える“伝承”の授業があり、運動会等の行事や折々のイベントごとに踊りを披露しているため、今回の例大祭に向けては事前に2〜3回集まって流れを確認した程度とか。メインとなる獅子の両脇を固めるのは中学生前後の踊りがうまい女の子。祭りの“なおらい”(宴会)の準備をしていたお婆ちゃんたちが「わだしらも昔は(あの位置で)踊ったもンです」とその姿に目を細めていたのが印象に残った。

 もうひとつ印象に残ったのが太鼓の響き。多分に個人的なDNAの影響かもしれないけど(笑)、素朴なリズムが琴線に触れまくりだった。録音したお囃子はiTunesでヘビーローテーション中なり。岩手には早池峰神楽や さんさ踊りなど太鼓がイイ味出してる地域芸能が数多く残っているものの、後継者不足に悩むところもあると聞く。お囃子の音に身をゆだねていると、いっそのことドコカに入門しちゃおうか....なんて妄想が。

 最後に“なおらい”の後片付けをしていたお婆ちゃんたちから「ほれ、田舎料理だけど食っていがんせ」と声をかけられ、野菜たっぷり具だくさんの味噌汁を“どんぶり”で2杯(しかも容赦ない山盛り状態・笑)ごちそうになった。キャベツ入りってのが旨かったなぁ。後半戦かなり苦しかったけど.....。 いやはや ごちそうさまでした。


 後日、撮影中の我が身がしっかりと写った写真を発見してしまった。正面で踊る獅子の陰に隠れるよう なるべく姿勢を低くしていたつもりだったのだが...。

 → 「遠野」なんだり・かんだり:日出神社&上郷まつり 参
 ※全3編にわたるレポートは獅子踊りの解説や当日の様子が詳しく解説されていて大変参考になる。その他の記事も面白い。いやー遠野、深いです。 撮影中の姿は写真3枚目のほぼ中央、獅子の後ろ側に..。

 【余談の余談】
 WWPのサイトで生成されたサムネールがコチラで設定した初期画面よりずいぶんズームした状態になってしまっている。正しいサムネールはこんな感じ。
20070705shishi_thumb




Technorati Tags:
, ,


2007.01.04

027 : 岩手 大船渡赤崎地区 牡蠣漁師

  The World Wide Panorama (WWP)2006年の冬の部に出展した作品です。

 → http://geoimages.berkeley.edu/wwp1206/html/YoshitoTakagi.html

070104_oyster 種類:CubicVR 2点 撮影:2006年11月14日

 撮影機材:Canon EOS 5D, SIGMA 15mm 1:2.8 EXDG FISHEYE

[テーマ]
 今回は"Best of 2006"ということで自分の中の2006年最良の1点をピックアップ。
 ただしこの作品が"My Best Panorama of 2006"なのかというといささか迷いが無い訳ではありません。というのは「決定的瞬間」はこのパノラマを撮影した後にやってきたからです。

[撮影]
070104_oyster2 殻の大きさ20cm弱。プックリとした身をさらに厚く包んでいるグリコーゲンの層。

 地元の漁師さん曰く「こんな牡蠣なかなか無いよ〜」

 そりゃあもう立派な立派な牡蠣でした。しかも海から引き上げ即座に賞味。

 不覚にも撮影のなかで撮影を忘れました.....(笑)。



(写真提供:吾妻嶺酒造店


 いずれにせよ、"My Best Experience of 2006"であることは確かです。

[余談]
 いやー、今回はホント締め切りギリギリの駆け込みアップロードとなってしまいました。時間短縮のためRawから8bitで書き出した画像でスティッチ作業をしたものの、パキッと晴れわたった冬の青空のグラデーションと斜光に照らされたコントラストきつめの風景に苦戦し、再度16bitで書き出し直した画像で作業をしなおすハメに...。
 おかげでコメントは中学生英語以下のヒドいシロモノです。

 この時の模様はポッドキャスト「酒は手造り あずまみね」で新シリーズとして近日配信予定です。聞くと日本酒が飲みたくなります。ご注意を。
 → 「酒は手造り あずまみね」(iTunesが起動します)

 ちなみにこの牡蠣“赤崎冬香”はお取り寄せ可能です。
 →「牡蠣の匠 オイスターガーデン シダッチ



Technorati Tags:
, ,


2006.10.14

026:小樽 こどもの国

  The World Wide Panorama (WWP)2006年の秋の部に出展した作品です。

 → http://geoimages.berkeley.edu/wwp906/html/YoshitoTakagi.html

001_wheel
種類:CubicVR 2点 撮影:2005年9月24日 撮影機材:Canon EOS 5D, SIGMA 15mm 1:2.8 EXDG FISHEYE

[テーマ]
 今回のテーマは"Transportation"。毎度ながらテーマに沿った被写体選びには紆余曲折があります。今回は2つのアイディアがお蔵入り(詳細は以下 余談 の項目を参照のこと)になりましたが、ま、その過程を含めて楽しんじゃえるのがWWPの良さなのかも。
 結局選んだのは、某熱中人にて先達 のサイトでその存在を知った小樽こどもの国にある観覧車。その写真を見た瞬間に子どもの頃に“瞬間移動”したような気分になったことを思い出し、多分にこじつけ気味の解釈(言い訳?)を唱えつつ、小樽に向かう快速列車に乗り込むこととなりました。ホントはこの場所を選んだのにもうひとつ重要な意味があったわけですが、これまた詳細は以下の 余談 にて...。

[撮影]
 毎度ながら現場に出向くと想定外のことが起こります。事前情報で古い・小さいことは知っていたつもりですが、ゴンドラ内部があんなに狭いとは。何度か挑戦した後、園内の遊具を見渡せ かつ日本海を見渡すローケーションの良さや観覧車の構造がわかるような立ち位置を見つけたのでメインとなるカットを撮影しました。


[余談]
 2006年の秋の北海道を象徴する“ Transportation”として最初に思いついたのは、JR北海道が赤字ローカル線の救世主として開発中のDual Mode Vehicle(DMV → pdf / → Wikipedia:デュアル・モード・ビークル)。“鉄道モード”時と“道路モード”時に見えるフロントガラス越しの風景を組み合わせ、走行音の違いも含めてDMVの1台2役な性能を紹介するというアイディアもあったけど、残念ながらWWPの会期中は2007春の釧網線での営業開始に向けた無雪期の走行試験の追い込み中とのことで、同乗取材は不可能となりました。


 じゃあ日本が世界に誇れる“Transportation”って何なのか?と思った時に浮かんだのが コレ(笑)。でもコレ、探すとなかなか見つからないもんで、札幌在住の有識者(?)にメールやら電話で尋ねてみるも、皆一様に「あー、昔は見たけど最近見てないなぁ」とのご返答。什器系の専門店に問い合わせるも同様に「昔は扱ってたンですけどねぇ..」とのことでした。数少ない目撃情報をもとに古くからの商店街などを歩いてみたものの結局遭遇できず...。どうやら街なかの配達エリアが比較的狭い店舗では徒歩か自転車が、住宅地や郊外では対象エリアが広い分 軽自動車が主流 というのが降雪地札幌における当世出前事情のようです。

 というわけで、ようやく決まった観覧車。でもゴンドラ内部の室内長が80cm弱に幅は50cmないくらいと、ボクが一人乗り込むのだけでも大騒ぎ....。おまけに観覧車の直径が小さく1周する時間も短いため、1セット分を撮影してる間にゴンドラとゴンドラがぶら下がっている円周部分の角度が大きく変わってしまいます。結局納得できる撮影ができず、翌日も足を運ぶことになりました..。
 じつはこの「小樽こどもの国」、施設の老朽化と市の財政悪化のため、2006年10月9日をもって閉園となりました。観覧車をはじめとした遊具の取り壊しも決定しています。2006年秋の 世界中の風景をパノラマでアーカイブするというWWP本来の意義を考えた際、10年後に残す風景としてなんとしても撮影しておきたかった場所だったわけです。

 ちなみにこの観覧車、ゴンドラ数・大きさこそ違うものの日本最古の観覧車と構造的には同じであることがわかります。最新の観覧車と異なりギヤが剥き出しになった外観が特長的で、一緒に行ったウチのボンズもその機械機械した部分に興味も持ったらしく、パノラマの初期表示の状態から“視線の先”を見えるよう自動回転のスクリプトを組みました。


[後日談]

 10月9日の閉園前後のこどもの国の様子が以下のブログで紹介されています。

  → やっぱり行ってきた。

  → otaru city "kodomono kuni #1から#5まであります。



  → さよならこどもの国

  → ainosatoブログ02 小樽 カテゴリー


Technorati Tags:
, ,


2006.08.13

025:福島 只見 ブナ原生林

 2006年6月に只見に出張した際に訪れたブナ原生林の風景です。

http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/025/index.html

025a種類:CubicVR 2点
撮影:2006年6月24日
撮影機材:Canon EOS 5D, Canon EF 14mm 1:2.8L


恵みの森

 ブナの原生林というと水越 武 氏や細川 剛 氏のスゴイ写真ばかりを思い出してしまって、じゃぁVRムービー的にはどんなアプローチをしたら良いのか、当初は全くイメージが湧きませんでした。特にこの時期の原生林って見晴らしが良い訳じゃなし、下草が無く幹が目立つ春の堅雪時や紅葉時のような“華”があるわけでもなく、ましてや梅雨の時期で天候も期待できないということで、ヘタすると“とりあえずその場で360°撮ってみましたー”的な なんでもかんでも写っちゃうが故の“何を撮りたかったのかヨクワカラナイもの”になってしまう危険性が 大 なわけです(ま、コレは相手が森じゃなくてもいつでもどこでも言えることだけど..)。

 ところが撮影当日は梅雨の真っ最中というのに奇跡的に晴れ渡り、なんとも心地良い風が吹いていました。このあたりの気持ち良さについては「只見のブナ原生林で “一回休み”」でも触れているので当日の顛末はソチラをぜひ。
 林道沿いにクルマを駐めて原生林に通じる踏み跡を進んでいくと、セミの声やら川の音やらの密度がどんどん濃くなっていきます。そして、森に分け入るために渡らなければならない橋の上に一歩踏み出した瞬間、一気にいろんな音に包まれました。足下からは一枚岩の上を流れる川特有の優しく滑らかな水音が、頭上からはカッコウの鳴き声が、そして至るところから聞こえてくるハルゼミの声、風にそよぐ若葉、揺れる梢のギシギシキーキー軋む音などなど...。しばーらく橋の上でボーっとした後、そっかコノ気持良さを撮れば良いのかと気づいた訳です。

 パッと目を惹く対象やら構図やらが無くても、その場所であたりをゆっくり見回してるだけで気持イイ、そんなVRムービーを目指してみました。HD版のファイルサイズはデカいですが、森の立体感を出すための最低限のバランスポイントを探った結果の10MB超です。ま、気持ち良さの大部分は“音”に依存してるとは思いますが、だからこそQuickTime PlayerとPlug-inでの再生時にループの音がスムーズにつながらないのが残念なところ。イイ感じでループするように録音素材から使う場所を厳選したつもりが、いくつか試した音声編集系のアプリ上ではキレイにキマルものの、肝心な再生環境でイマイチな結果になってます。デカいデータをフルスクリーンで自動回転してるのがCPU的にもツライとは言え、次回への課題としたいところ。


 ハナシは飛びますが、札幌は8月2日からなんと7日連続で30℃を超える真夏日が続きました。そんななか、この原生林のHD版 VRをフルスクリーンで再生し、圧縮前のオリジナルの環境音をヘッドホンで聴きながらボーっと涼んでみました。ところが翌日、暑い中 頑張ってくれていた我が社のデスクトップマシン君、グラフィックカードの冷却ファンが故障したことが原因でカード本体までイってしまいました...。別にこのムービーが直接悪かったわけではありませんが、見てる方は涼めても、マシンにとっては過酷な内容かもしれません...。

Technorati Tags:, ,

024:三重 伊勢

 5月中旬と6月初旬に伊勢に出張した際に撮影した風景です。

 → http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/024/index.html

024a

種類:CubicVR 2点
撮影:2006年5月17日、6月3日
撮影機材:Canon EOS 5D, Canon EF 14mm 1:2.8L



■川辺七種神社・吉家稲荷神社
川辺七種神社・吉家稲荷神社
 古い街並みが残る伊勢河崎町。体にまとわりつくような霧雨が音もなく舞う中、迷い込んだ小さな神社のひっそりとした佇まいにシビれました。伊勢では早朝の伊勢神宮の森とかエビフライや伊勢牛 にもシビれましたが、このこぢんまりとした境内の 鳥居に伝う雨の滴や狐の石像の質感、緑が濃くなる直前の この時期だけの透き通るような色の若葉 などなど、いまでも目を閉じるとその時の境内のしっとりとした空気感が鮮明によみがえります。果たしてそのカンドーが再現できていますやら....。



■お木曳き
伊勢 お木曳き 再度出張で訪れた伊勢市では、式年遷宮のプロローグとも言える「お木曳き」の真っ最中。天候も大きく崩れず、仕事も早めに切り上げられたのでおかげ横丁食べ歩きやら伊勢河崎町の正しい居酒屋を堪能した翌朝、奉曳コースの沿線に出かけました。
 曳き手の調子を合わせるための「エンヤー」のかけ声が、拡声器を通すことでちょっと騒々しく感じられますが、大きなもので1トンと言われる御料木を積んだ「お木曳き車(奉曳車)」の 木製の車軸と車輪が発する「わん鳴り」の響きや、辺りに漂う木の焦げた香り(車軸と車輪の摩擦による)は、きっと1200年の間変わっていないンだろうなぁ なんてことを考えつつ撮影してました。



 最後にちょっとだけ技術的なハナシを。こんかいは魚眼レンズではなく14mmの広角レンズを使用して水平方向6枚+天地2枚撮影しています。14mmの場合、本来はマルチ・ロウで撮影(+30°×6枚 + 30° ×6枚 + 天地2枚 =14枚)しますが、スティッチの際の“のりしろ”をギリギリまで少なくすることで、フットワークと画質の妥協点としました。しかし動きがあって周囲に人がたくさんいる「お木曳き」のようなシチュエーションでは、やはり苦労しました.....。ホントは他にも2箇所で撮影したのですが、仕上がりに納得できなかったのでボツとしました。やはり“群衆わらわらモノ”の場合は、魚眼レンズで“のりしろ”を多めにとるで方法じゃないとツライです。余談ながら雲台(360Precision)のアームが今回の機材と異なる仕様向けのものだったので、承知の上とは言えじゃっかんノーダルポイントがズレているのもイタかったっす。

Technorati Tags:, ,

2006.04.03

023 : 風炉先屏風

Furosaki種類:CubicVR 1点 撮影:2005年6月16日 撮影機材:Canon EOS 10D, SIGMA FishEye 8mm 1:4 EX

 → http://geoimages.berkeley.edu/wwp306/html/YoshitoTakagi.html

[テーマ] 恒例となった The World Wide Panorama、春分の日の今回はテーマが"Borders"。“国境の海”根室海峡で最盛期を迎えていたスケソウダラ漁とか北方領土関連のネタ、カーリング方面のネタ等々面白そうなものがいくつか見つかったものの、怒濤の年度末仕事の影響でどう考えても道東まで足を運ぶ時間がとれそうもなく、ひとまず近場で撮影できる内容にテーマを絞りました。

 当初、“結界”を意味する茶室の“にじり口”をテーマに考えていたものの、この時期 札幌にあるいくつかの本格的な茶室は雪のため閉鎖中。そこで茶道で使われる独特の屏風“風炉先屏風”に焦点をあてることにしました。

[撮影] 期間中(3月15〜21日)に茶会を催している場所ということで、北海道茶道会館の月例茶会にお邪魔しました。事前に会館と亭主をつとめる先生に概要を説明&撮影方法を相談し、1度に40名程度のお客様に向けて“薄茶”を点てる大広間での撮影、お茶会最中の撮影は遠慮する、会の終了間際にお弟子さんを相手にお茶を点てていただくことに。

 撮影の前に大勢の参加者に交じってお茶を一服ごちそうになりましたが、正座が辛く途中から足を崩させていただくという情けない結果になってしまいました。とは言え、五感を通じてじわじわとボクの中の“日本人のDNA”に訴えかけてくる“刺激”が心地よく、貴重な体験ができました。

 本来は大広間の床の間側(掛け軸と生け花がある方向)にもお客さんがずらりと座りますが、撮影時は前述したようにお弟子さんだけの参加のため、点前畳(てまえだたみ)と客座を仕切る風炉先屏風の役割が視覚的に曖昧になってしまったのと、全体にガランと寂しげなのが残念なところ。いずれにしても茶の湯の世界をVRでしっかり撮ってみたいものです。



Technorati Tags:
,


2006.01.14

022:岩手 吾妻嶺酒造店

 南部杜氏直系の岩手の酒蔵で行われている伝統的な酒づくりの風景です。

http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/022/index.html


022e種類:CubicVR 6点
撮影:2005年10月〜12月
撮影機材:Canon EOS 10D, SIGMA FishEye 8mm 1:4 EX


[テーマ]

 “ひとつひとつのVRムービーに詰まっているたくさんのストーリー”を見ている方と共有したいゾ プロジェクト第2弾(?)。 QuickTime VRと環境音を同時に再生する試みは取り立てて声を張り上げるほど特別なことじゃなくなってるけど、今回は環境音(ラジオドキュメンタリー・スタイルのポッドキャスト)でメインのストーリーを展開し、その場の風景を QuickTime VR で紹介するという逆の手法に挑戦してみました。

吾妻嶺酒造店[撮影]

 日本酒はあまり飲まなかったのに、とある本をきっかけに日本酒に興味がハマり始めたのが2004年の暮れのこと。その後すっかり“食べながら飲む日本酒”にハマってしまい、縁あって昔ながらの手をかけた酒づくりにこだわる岩手の吾妻嶺酒造店にお邪魔するようになったわけです。

 撮影プランは「新酒の仕込みの各工程を追いかける」とシンプルにまとめ、酒づくりの過程についても蔵元からしっかりレクチャーを受けたつもりでした。ところが実際の現場では録音と撮影を一緒にこなすのが予想以上にタイヘンで、毎回毎回反省点が山積み状態...。なかでも12月6日の「初しぼり」は、NHKと地元民放局のTVクルーが撮影に来ていてこちらのVRの撮影タイミングをハズしてしまったり、慌ただしく事態が展開する状況に対応できなかった(録音を優先させてしまった)りで、なんと床部分(地面)のカットが撮影できませんでした。通常FishEyeを使用する際は、水平方向6枚+天井・空(上向き)1枚+床・地面(下向き)3〜4枚を撮影するのですが、このときは地面方向を全く撮影できず、仕方なくムービーの作成時にTilt角を調整し、真下を見せない仕様にしてあります。いやはや...。

 ヒロシマ・ナガサキの爆心地での撮影はカウントダウンに合わせて心の準備ができており、たくさんの人がいる場所での撮影と言ってもメインとなる被写体がいきなり走り出したりはしないわけで...(笑)。従来はある程度じっくりと自分の立ち位置を決め周囲の状況が狙った状況になったら撮影するという、どちらかというと“待ち”の撮影が多かったわけですが、今回はこのスタイルがほとんど通用してません。今この瞬間を全周分キャプチャーできれば面白いVRになるゾというお告げらしきものが“ピキピキーン”と来る状態(笑)をなかなかモノにできず、試行錯誤を未だに繰り返しています...。

Technorati Tags: , , , , ,

021:広島 原爆ドーム

 終戦60年を記念して第二次世界大戦の遺構をQuickTime VRでアーカイブするプロジェクト「Panoramas of World War II Landmarks」に出展したムービーです。

http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/021/index.html

021b種類:CubicVR 5点
撮影:2005年9月26日
撮影機材:Panoscan, MAMIYA-SECOR FISHEYE ULD C 1:4 24mm,

Canon EOS 10D, Canon EF 14mm 1:2.8L


[テーマ]

 原爆ドームの内部を余すところなく撮影しQuickTime VRで紹介すること、ただそれだけをテーマとしました。
原爆ドーム[撮影]

 普段公開されていない原爆ドーム内部の撮影をどうしたら許可してもらえるか、すべてはこの1点にかかっていました。まず2004年9月の段階でww2Panoramaとは別の企画のために原爆ドームの管理を行う広島市都市計画局公園計画係を訪ねました。撮影の可能性についてお伺いを立てたところ、その時点では企画自体が実現できるか不透明だったせいもあって「必然性という点で説得力が弱い」という解答が...。また世界遺産に指定されているため、公園計画係だけでなく教育委員会の許可も必要なことがわかりました。

 せっかくなのでその足で広島フィルムコミッション(以下広島FC)を訪ねたところ、アポ無しにもかかわらず当時の企画の趣旨やQuickTime VRの概略の説明を聞いていただき、実現にむけての貴重なアドバイスをいただきました。さらには原爆ドームから平和公園、平和記念館を一直線に見渡せる広島商工会議所の屋上(通常は立ち入り禁止)等のロケハンも実現できました。
 その後、当初の企画自体が頓挫してしまったところにww2Panoramaのオファーがあり、再度挑戦となった経緯は「019:広島 2005年8月6日」で触れました。今回はww2Panoramaの意義等を企画書にまとめ、主宰するMickael Therer氏に依頼した紹介状も添えて広島FCに提出し、一切の交渉をお願いしました。幸い、以前訪ねた際に親身になって対応いただいた担当者に企画の意義をいち早く認めてもらえ、以後精力的に交渉に臨んでいただきました。
 とはいえ60年目という節目の年であるため市側も広島FCも各種準備に忙しく、実際の交渉は8月6日が過ぎてから。8月末には待望の撮影許可が下り、最終的には9月26日の撮影となりました。

 当日は10時から14時までの予定で撮影を申請しました。撮影中は警備用の赤外線センサーを切ることになるため、ドーム周辺に4名の警備員を配置しなくてはいけない決まりだそうで、広島FCより地元の警備会社を紹介していただきました。現場では広島FCの担当者にドームを取り囲む柵の鍵を開けていただき、大荷物を抱えたボク一人が柵の中へ。博多在住の友人が当日の撮影を手伝ってくれることになっていましたが、台風の影響でスケジュールが二転三転したため残念ながらたった1人での撮影となってしまいました。

 この大荷物、2度と撮影できる場所ではないということで念には念を入れ、Panoscan+FishEye、Canon EOS 10D+14mmによるマルチロウ撮影、Canon EOS 10D+8mm FishEyeによる三段構えで撮影できるよう機材を準備したのが原因です。建物入り口で直射日光を浴びながら機材をセットアップしていると、9月の末とはいえジワジワ汗ばんできました。ところが一歩建物内部に足を踏み入れると、ひんやりとした空気が漂っています。
 ただ、その空気感は沖縄のガマブリーンドンクの強制収容所のような、背筋が冷たくなるような不気味な感じではなく、不思議と落ち着いたものでした。とは言え、この雰囲気は2度の改修工事を経た現在のもの。戦後十数年が過ぎた頃の原爆ドーム内部は、どす黒いしみが浮き出している 現在とはまったく雰囲気の異なる空間だったようです。その様子は『川田喜久治写真集 地図』(月曜社刊)に記録されています。

 この写真集の付録リーフレットにある写真家本人によるテキスト『「しみ」のイリュージョン』から当時の様子を引用します。
『(略)
 雨が降り続く初夏の夕暮れ、孤立しているような原爆ドームに私はひとり忍び込んでいた。暗く湿った地下天井の裂け目から目が離れなくなってしまった。通称、原爆ドームと、呼ばれる広島県産業奨励館の廃墟を見るのに、その時はだれの許可もいらなかった。眺めたいものをいつまでも自分の手で触れながら、ゆっくりと見ることができた。そこには十数年の風雪と光が異様なまでに天井を染め上げていたのである。この光景は、硬質な現実でありながら、一方、強い幻覚力を備えていた。
 一瞬にして、ここにいた数十人が地表四〇〇〇度を超す閃光熱線のなかに消え去り、続いて降った黒い雨と長い時間のなかから忽然と現れた「しみ」。天井一面、渦巻くカリグラフィーは魔力をたっぷりと吸い込んでいる。私自身の原爆の生のイメージがそこにあった。
(以下略)』

 この写真集をじっくり眺めながらイメージトレーニングをしていたので、実際の現場はちょっとキレイ過ぎるかなぁという印象もありましたが、周囲を見渡すうちに、見かけだけではない存在の重さがズッシリと肩にのしかかってきました。

 川田氏が「しみ」を見たと思われる地下室へは入ることができなかったものの、その地下室へ通じる階段は「爆心地側から見たドーム」のVRムービーで見ることができます。

 1箇所あたり3種類の機材で6箇所分撮影したという作業量的な忙しさはもちろんのこと、いつもより慎重に撮影前のチェックを繰り返したせいもあり、予定していた4時間はあっと言う間に過ぎてしまいました。実は環境音や撮影時のモノローグが記録できればと思い、録音機材一式(今回から小型のデジタルレコーダーを導入)も持っていったものの、活用する余裕がありませんでした。やはり一人での撮影&録音ってのは無理があるのかも...。

Technorati Tags: , , , ,

020:長崎 2005年8月9日

 終戦60年を記念して第二次世界大戦の遺構をQuickTime VRでアーカイブするプロジェクト「Panoramas of World War II Landmarks」に出展したムービーです。原爆投下から60年目を迎えた“ナガサキ”の様子を撮影しました。

http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/020/index.html

020a種類:CubicVR 6点
撮影:2005年8月9日
撮影機材:Canon EOS 10D, SIGMA FishEye 8mm 1:4 EX

[テーマ]
 詳細は「019:広島 2005年8月6日」でも触れましたが、2005年8月9日の爆心地や慰霊碑周辺の風景を通して60年前にこの地で起こったことを紹介する、というのが今回のテーマです。


[撮影]
 “ナガサキ”へは8月8日の昼過ぎに入りました。騒々しかった“ヒロシマ”に比べると街はずいぶん静かな印象で、拍子抜けしたというのが本音のところです。とはいえ、ロケハンを進めるうちに、拍子抜けという印象は間違いだということがわかりました。

 山王神社の境内では、原爆の体験者が小学生たちを集めて話をしています。幼い子供たちが年老いた語り部の話を真剣に耳を傾け、その傍らでは地元の自治会主催の慰霊祭の準備が進められています。
 浦上天主堂では信者と思われる人たちが翌日の追悼ミサに向けて慌ただしく作業をしています。

 ここ“ナガサキ”では住民が自分たちの手で60年前の体験を後世に残そうとしていました。もちろん“ヒロシマ”にもそのような側面はあったのかもしれませんが、原爆ドームに代表される“原爆のシンボルとしての側面”に目を奪われてしまい、地元の人々の想いを感じる余裕がボクにはなかったのかもしれません。

山王神社 翌9日はまず8時前に山王神社に向かいました。坂元町自治会による慰霊の集いの撮影です。「自治会会員の1/4以上が70歳を超えているが、60年前の犠牲の上に平和が成り立っていることを我々が後世まで語り継がなければならない」という自治会長の話と、「二度と戦争が起こらないよう反戦反核を大きな声で叫ぶ」という児童代表の慰霊の言葉が印象に残りました。この児童代表の言葉は「坂本町慰霊の集い」のVRで聞くことができます。



爆心地公園  ながさき観光地映像化支援センターの担当者から、「平和公園の敷地が狭いため祈念式典は入場が制限される」との情報をいただいていたので、原爆が投下された11時2分は爆心地公園で迎えることにしました。爆心地公園は「原爆落下中心地碑」を中心にタイルで同心円のデザインが施されており。この同心円は被爆後に献身的な医療活動を続けた秋月辰一郎医師が唱えた「死の同心円」という言葉がモチーフになっています。
 ※秋月辰一郎氏は2005年10月20日、89歳で亡くなりました。氏を主人公にした映画『アンゼラスの鐘』が各地で公開されています。

 この同心円をしっかり撮影したかったのと、三脚や自分の影のレタッチを考えて碑からちょっと離れた場所に陣取りました。背後には浦上天主堂から移設した遺壁の一部があり、太陽からの直射も遮ってくれました。



 通常の撮影機材に加え、録音用に単1電池駆動のカセットデンスケ(購入した20数年前は画期的な小ささだったのに...)を持って起伏のある長崎の街なかを歩き回っていたので、かなり体力を消耗...。一旦ホテルに戻り昼食に。暑さが厳しく、水分補給のためにペットボトル(500mL)を予備を含め2本携行していたので、ホテルにあった体重計で重さを計ったら装備一式で10kgちかくありました。
 狙った音は録れたので、午後は撮影機材のみに装備をスリム化しつつも、コンビニで見つけた干した梅干し(?)を口に含み、塩分も補給しながら炎天下の街なかに出かけました。爆風で片方の柱が吹き飛ばされたまま“1本脚”で立ち続けている山王神社の二の鳥居から山王神社の被爆クスノキへとツラい石段をクリアするも、アジアから来たと思われるTVクルーが撮影中だったためやむなく浦上天主堂へ。うむむ、浦上天主堂なら長崎駅前からバスで直接行けたのに、山王神社からは更に“山越え”しないと行けないのでした...。

浦上天主堂 被爆した聖人像 浦上天主堂では当日の夜に放映される某国営放送の特番のため、お目当ての被爆した聖人像の前でスタッフがマイクやら照明やらの設営をしています。とはいえこちらも事前に撮影許可を申請していたので、設営が一段落した隙を狙って撮影しました。キリスト教の聖人像に千羽鶴というのもちょっと不思議な気がしましたが、それも“ナガサキ”らしさなのかも....。



山王神社 二の鳥居 気を取り直して再度山王神社に向かう石段をのぼり、二の鳥居を撮影。その後は神社入り口にある被爆スクノキへ。2本の巨樹の下は確実に気温が低く、風の通り道なのかサワサワと葉が揺れていてなかなか心地よい場所でした。この場所は1995年に環境庁(当時)が制定した「残したい“日本の音風景100選”」に選定されており、「地域の人々と共に生きる木と風のささやき」が選定理由となってます。またセミの声の名所としても有名とか。


 夕刻の平和祈念像を撮影しようと平和公園に脚を踏み入れるものの、いたるところで某国営放送の特番準備が行われ、とても撮影できる状況ではアリマセンでした。その瞬間、浦上天主堂からなんともドラマティックな鐘の音が鳴り響き、なんだかそれを聴けただけで満足してしまいました(録音できなかったのは残念だけど)。

Technorati Tags: , , , ,

019:広島 2005年8月6日

 終戦60年を記念して第二次世界大戦の遺構をQuickTime VRでアーカイブするプロジェクト「Panoramas of World War II Landmarks」に出展したムービーです。原爆投下から60年目を迎えた“ヒロシマ”の様子を撮影しました。

http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/019/index.html

019a種類:CubicVR 5点
撮影:2005年8月6日
撮影機材:Canon EOS 10D, SIGMA FishEye 8mm 1:4 EX

[テーマ]
 2005年6月、Panoramas of World War II Landmarks(以下ww2panorama)の主宰者Mickael Therer氏から1通のメールが届きました。従来ヨーロッパ地区のみだった同プロジェクトを、アジア太平洋地区も含めた全世界的なプロジェクトにしたいので、ぜひ参加してください との内容で、The World Wide Panoramaに出展したことのある日本のパノラマ・フォトグラファー宛てに送られた模様。
 このメールを読んでボクがまず考えたのは、通信施設や連合軍の上陸を阻むトーチカといった旧日本軍の施設跡や、大陸から強制連行された人々によって作られた水力発電所などの広い意味での第二次大戦の“遺構”は北海道にも残っているものの、世界規模のプロジェクトに出展する内容としてまず押さえなくてはいけない場所が他にもあるのでは?ということ。たまたま2003年の後半から取り組んでいた原爆投下60年企画が頓挫してしまっていたので、この企画を復活させる千載一遇のチャンス!と参加を決めました。
 目玉となる原爆ドーム内部での撮影については「021:原爆ドーム」に詳しく書きますが、原爆ドーム以外にも60年目を迎える“ヒロシマ”のその日の様子を記録できないかという思いがボクにはありました。と同時に果たして平和記念式典のような“イベント報告”的なVRが“Landmarks”に値するのか?という疑問もあったわけです。
 そんなモヤモヤを解消してくれたのがゲルニカのVR。スペインのゲルニカは爆撃によって街が灰燼に帰し、当時の建物があまり残っていない状態であるものかかわらず、撮影されたVRを見るとそこで何が起こったかがシッカリと伝わってくるものでした。
 また、ww2Panoramaには資料館や博物館の内部を撮影した印象的な作品が数多くあります。当時の兵器や遺留品など、実物ならではの力で見る物に多くのことを語りかけてきます。とはいえ、広島・長崎においては平和資料館と原爆資料館の内部は撮影しないつもりでした。原爆ドームにしても長崎の浦上天主堂の聖人像などそれだけでも十分にパワーを持つ内容だし、この2つの資料館に関しては実際に足を運んで自分で感じて欲しかったからです。
 そんなわけで、今回は2005年8月6日の爆心地や慰霊碑周辺の風景を通して60年前にこの地で起こったことを紹介する、をテーマとしました。

[撮影]

 8月5日、市電の原爆ドーム前電停へは午後2時過ぎに降り立ちました。肌を焼く日差し、アブラゼミの大合唱、さまざまな団体が拡声器から発する平和アピールの声、携帯電話に大声を張り上げる報道陣、上空を飛ぶヘリコプターの爆音...。原爆ドームから平和公園に向かうにつれ、なんだか部外者が勝手に浮き足立っているような騒々しさばかりが耳につくようになりました。暑さと湿気の多さに参っていたボクは早々にロケハンを済ませ、紀伊國屋書店で開催されていた「こうの史代『夕凪の街 桜の国』原画展」を見たり、ここ数週間の地元紙の原爆関連記事を図書館でチェックしたりしてホテルへと戻りました。その後、各局のローカルニュースを一通り眺め、18:55からはTBS系列で放映された『ヒロシマ〜あの時、原爆投下は止められた いま、明らかになる悲劇に真実』を見て翌日に備えました。

爆心地 翌6日。8時前に爆心地の碑前に到着。多くの人が平和公園の平和記念式典に向かう中、60年後の8時15分は爆心地で迎えることに。地元中国新聞の記者とカメラマンもその瞬間を捉えようとスタンバっています。大阪から高速バスで駆けつけたという大学生を始め、何人かがその場で黙祷を捧げたり自作の詩を読み上げたりして“その時”を迎えました。
 その後、平和記念式典が進行中の平和公園に人をかき分けながら移動し、何点か撮影してみたものの“ただ単にその場で撮影してみました”の域を出ないものとなってしまったので、次のポイントとして考えていた原爆供養塔に向かいました。

原爆供養塔 ここには7万柱もの身寄りのない遺骨が納められており、宗派を超えた合同慰霊祭も行われていました。日差しも強くなり、セミも日中と変わらない強力なパワーで鳴き出したのでひとまずセミの声を録音。
 この間、祭壇の前に一人の老婆が花束を持ってやってきました。と、突然 地面にうずくまり、手を合わせながら肩をふるわせてすすり泣いています。すかさずTVカメラや報道カメラマンが老婆に群がり、絵になる光景をものにしようとあたりは殺気だった雰囲気に。いやはや、こんな光景、とっても撮影できませんでした。確かに“フレームの外”も写ってしまうVR的な面白い作品が撮れるという感触はありましたが...。

原爆死没者慰霊碑 何カットか撮影後、式典が終わった原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)へ移動。タイミング良く慰霊碑で1年間に亡くなった被爆者の名簿を石室内に納める作業をしていたので、ちょっと距離があったものの撮影しました。撮影時には気づかなかったンですが、VRムービーを開いて最初に表示される画面で右端に写っている女性が、新聞紙を持ちながら手を合わせています。この新聞、記念式典後に平和公園周辺で配られていた中国新聞の号外のようです。PDFで公開されているのでぜひご覧ください。

 → 電子号外1(pdf)
 → 電子号外2(pdf)
 → 電子号外3(pdf)

 ホントはムービー内にホットスポットを埋め込んで、PDFにリンクを張ってもよかったかも..。

 その後、原爆の子の像を撮影し、予定していた撮影は完了しました。

 昨日(5日)は騒々しさばかりが耳につき、正直参ったなぁという気分でしたが、6日当日は“部外者”も“当事者”も関係なく、平和公園周辺ではあちこちで人々が手を合わせる姿を目にしました。中でも孫とおぼしき子供に手を引かれた老人の姿が目立ち、地元メディアが繰り返し伝えていた「被爆者に70周年はない」というメッセージが強く印象に残りました。

Technorati Tags: , , ,

2005.09.20

QuickTime VR HDにマップ機能を追加

QTVRHDMap QuickTime VRは周囲360°の風景を眺めることができるため、通常の写真よりも格段に多くの情報が詰まっています。しかし実際に閲覧する際は写真がドラッグできる不思議な操作感に目を奪われてしまい、1周ぐるりと見回してハイおしまい的な“ちょっと見”で満足してしまう場合も少なくないようです。

 そこで、“ひとつひとつのVRムービーに詰まっているたくさんのストーリー”を見ている方と共有できるような、ちょっと便利な機能をいくつか考えてみました。

その第一弾が今回のマップ機能です。QuickTime VR HDのVRムービーがどんな場所で撮影されたかをGoogle Map上にプロットしてみました。もちろんマップ上から該当するVRムービーのフルスクリーン再生も可能です。

 当初、撮りだめた作品の技術的なショーケースのつもりで始めたこのコーナーですが、実は修学旅行の事前学習に利用しているのか意外にもキッズgooや教育系ドメインからかなりの数のアクセスがあり、撮影した場所や状況についての質問もいくつかいただいたりしています。そこで、どんな場所で撮影しているのかをムービーごとに明確にしておこうと今回のマップができあがったわけです。

 現在のところ、このマップはブラウザやOSによって表示面と操作面でじゃっかん不具合があります。とはいえ、Google Map特有の自由に地図をズーム&ドラッグできる感覚は、画面をPan/Tilt/Zoomするたびに新しい世界がどんどん見えてくる高解像度VRの操作感にも似て、非常にimmersive(*1)です。
 このようにVRアーカイブのインターフェースとして非常に気持ちの良いGoogle Mapを使った事例をとにかく体験してもらいたいとの想いから、β版ながら公開を始めたわけです。

=0921 追記= ちょっとだけ不具合を修正しました。いやーそれにしてもGoogl Map、奧が深いッス。

 QuickTime VR HD Map(*2)はコチラからどうぞ。画面左側にマップへのリンクがあります。
 → QuickTime VR HD

ゆくゆくはGoogle Earth用のKML(Keyhole Markup Language)ファイルの作成と、壮大な(?)目標を定めたのはいいけれど、まだまだ情報収集を始めたばかり。はてさて、Google EarthのMac版リリースとどちらが先になることやら...。

 そうそう、World Wide Panoramaプロジェクトの.kmlファイルは既に公開してる人がいました。
 → Database of QuicktimeVR 360-degree panoramas on Google Earth


(*1)immersive:没入する・熱中するという意味の「immerse」が語源。QuickTime VRの世界を説明する際に良く登場する言葉でAppleのサイトにもImmersiveというページが。
(*2)Goolegle Mapなるネーミングも候補に挙がったものの、あえなく没に...。

2005.07.05

018:旭山動物園 ペンギン館

018種類:CubicVR 1点
撮影:2005年6月16日
撮影機材:Canon EOS 10D, SIGMA FishEye 8mm 1:4 EX

 → http://geoimages.berkeley.edu/wwp605/html/YoshitoTakagi.html

[テーマ]
 恒例となった The World Wide Panorama、夏至の今回はテーマが"Water"。単純に水辺の風景じゃつまらないし、せっかくだから北海道じゃないと撮れないものにしたいし...。
 ちょうど撮影する期間が満月だったので、田んぼに映る月なんてモチーフも考えたのですが、リサーチ不足で撮影場所を決めることができずに断念。7月1日にグランドオープンした札幌のモエレ沼公園に新しく設置された「海の噴水」なんてのもネタとしては良かったンですが、指定された撮影期間に間に合わなかったりで、最終的にひとつの場所に絞り込まれました。
 その場所とは、ユニークな飼育方法で人気を集める旭山動物園。ペンギンを飼育しているプール内部にアクリル製のトンネルを設け、水中からペンギンたちの様子を全方位で観察できるぺんぎん館は、まさにCubic VR向けの撮影ポイントだと思ったわけです。

[撮影]
 さて。月間入場者数であの恩賜上野動物園を抜いて日本一になったこともある人気の旭山動物園、しかもその目玉施設。週末は人が多くて確実に撮影が不可能そうなので、平日の朝イチの特急に乗って札幌から旭川を目指しました。バスに乗り換え10時過ぎに旭山動物園に着くと、入口には既に団体旅行の列が...。駐車場も観光バスであふれています。あちゃー.....。
 ひとまず園内に入り、ぺんぎん館を目指します。天気は どピーカンで、水中トンネルの中までイイ感じに光が入ってて、こりゃ面白いVRができそうと期待は高まるばかり。
 ところが.....。ひっきりなしに団体が訪れて、撮影どころの騒ぎではありません。トンネル内は3人が並んで歩けるかどうかの幅しか無く、ただでさえ ペンギンの姿を撮影しようとケータイをかざすおばちゃんたちが立ち止まり、人の流れが滞り気味。三脚なんかとても立てられる状況ではありません。
 聞けば「さすがに夕方になれば人は少なくなりますヨ」とのことで、ひたすら見学者が途切れるのを待つことに。結局、“機材をセットしては人が来て撤収”を3時間近く繰り返し、ようやく人の波が途切れた5分ほどの間に全周方向の撮影を完了しました。

 撮影にはもひとつ障害がありました。じつはこの時期はペンギンたちの繁殖期。メスが陸上で卵を抱いているためオスも基本的につきそっていることが多く、“泳いでいる”ペンギンがかなり少なかったンです。泳いでいるのは“やもめ”のペンギンばかりなのか、1羽ずつがヤケになって(?)ビュンビュン泳いでるような感じ...。
 幸い、人の流れが途絶えたタイミングでうまい具合にオス同士(?)が「どーせオレたちやることないけんね」という風情で2羽とか3羽単位でウダウダ泳いでくれたので、速攻で撮影しました。それでも通常は水平方向6枚、天地方向各1枚の計8枚で全周分1セットの撮影完了!となるはずが、その5倍ほどの枚数を撮影し、各角度ごとにペンギンの位置がベストなものを選び出し、画像をスティッチし(つなぎ合わせ)ました。
 全体をスティッチしたあとでペンギンを1羽づつPhotoshopで貼り付けるほうが絵的には迫力が出ることは出るのですが、なるべく自然な感じを出したかったので あえてタイヘンな道を選んでみました(笑)。
 残念なのは床側にペンギンがいないこと...。せっかくアクリル製にして底を泳ぐペンギンの姿を眺められる構造なのに、肝心のペンギンが床の下をくぐってくれませんでした。うむむ。

[後日談]
 The World Wide Panoramaをご覧いただくとわかりますが、いやー場所がカブっちゃいました。旭川在住の由良さんも ぺんぎん館で撮影してます。せっかく北海道から2名も参加してるのに、もったいないッス。さっそく由良さんに「スンマセン、カブっちゃいましたね」メールを出しました.....。ま、それだけ北海道を代表する場所ってことですね。

[オマケ]
 QuickTime Movie Trailersで「March Of The Penguins」の予告編が公開されています。ペンギンが集団でビュンビュン飛んでます。http://geoimages.berkeley.edu/wwp605/html/YoshitoTakagi.htmlを見た後にぜひ。

 このイベントに出展された他のムービーのレビューは「QuickTime Brewry Blog」をご覧ください。

2005.07.03

テクノラティでQuickTime VRをチェック

 "ブログ界で何が起きているかを確認することができるリアルタイム検索エンジン"テクノラティの日本語サイトがオープンした。

 → 『Joiこと伊藤穰一氏、ブログの「今」を語る 』(ITmediaエンタープライズ)

 面白そうなサービスなので登録してみた。
※スンマセン、自分のblogをそれぞれ登録しないとイカンので、QuickTime Brewery Blogfrom hokkaido,the land of pioneerでも似たようなエントリーをしました。

テクノラティプロフィール

2005.05.15

017:札幌 モエレ沼公園 HIDAMARI

 20世紀を代表する石の彫刻家イサム・ノグチ氏が設計し、2002年度のグッドデザイン大賞に選ばれた札幌市のモエレ沼公園。そのシンボル的な存在である「HIDAMARI」(ガラスのピラミッド)をQuickTime VRでお楽しみ下さい。

 →http://www.northern-lights.co.jp/hiresVR/017/index.html

017c種類:CubicVR 4点
撮影:2005年5月9日
撮影機材:Panoscan, MAMIYA-SECOR FISHEYE ULD C 1:4 24mm, Canon EOS 10D ,Canon EF 14mm 1:2.8L
撮影協力:札幌市公園緑化協会 モエレ沼公園


[テーマ]
 昨年から室内を撮影したサンプルを見たいというリクエストが続いていたものの、北海道には歴史的な建物があまり無いし、どーしたものかと思ってました。2月下旬に参加した とある自社技術プレゼンの場でも同様のリクエストがあり、そうですねぇ...と言葉に詰まっていると、“モエレ沼のガラスのピラミッドなんかどうでしょう”と逆にアドバイスをいただいきました。いやーそうでした! 歴史的建造物が無くてもガラスのピラミッドがあるじゃないですか。その日からひたすら雪解けを待って今回の撮影となったわけです。
 ただし、公共の建物での商用撮影(販売するわけではないものの自社サイト等でサンプルとして公開)ということで、札幌市環境局みどりの推進部みどりの管理課札幌市公園緑化協会への公園使用料と施設使用料を支払いが必要に...。後者は午前中のみ、ガラスのピラミッド「HIDAMARI」のアトリウム1と2を占有するという条件で計1万円也。思ったよりお手頃な料金でちょっと安心しました。

[撮影]
 ビミョーに着色されたガラス張りの施設なので、撮影前はいかに“室内の色を自然な色合いにするか”と“ガラス越しの空の青をそれらしく表現するか”が勝負になると思ってました。というわけで、いつもより入念にホワイトバランスを調整してから撮影を開始したのですが、思わぬ伏兵が出現.....。なんと敵は地球でした。

 正確には地球の自転というか、時間とともに移動する影が思わぬ障害になったわけです。Panoscanでの撮影の場合、一周360°分の撮影で90秒ほどかかります(シャッタースピード1/120)。その間に地球が約0.4°回転することで、地面(床)に伸びた影も移動してしまうのです....。一般的な撮影ではそれほど気にならないのですが、今回はガラス張りの構造を支えるために複雑に梁が組み合わされた場所なので、規則的な形の影が床にクッキリと描かれ、撮影開始時と終了時ではうひゃーというほど影がズレちゃってます。
 デジタル一眼レフでの撮影も、33枚分の画像をスティッチするために一箇所の撮影に3〜4分ほどかかってしまいます。こちらはスティッチの際の自動つなぎ合わせ機能が影に引っ張られてキチンと機能しないというさらに深刻な問題も..。

 結局、すべてのしわ寄せがPhotoshopでのレタッチ作業に...。ちなみにアトリウムの1と2がPanoscanでの撮影、3Fと外観がデジタル一眼レフでの撮影です。

 今回はホント苦労しました(笑)。

2011年4月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近の記事

最近のトラックバック

カテゴリー